発掘情報

県内の発掘調査

県内の発掘調査

埋蔵文化財調査室文化財調査班では、県内の大型開発事業に伴う事前の発掘調査を行っています。 こうした遺跡については発掘現場で現地説明会を開いたり、九州歴史資料館で年1回行っている企画展「発掘速報展」や「発掘調査報告会」で成果をお知らせしています。
これらの開催については、本ホームページでお知らせします。 また、調査を終了した遺跡については、順次発掘調査報告書を作成しています。 既刊の報告書は当館の図書閲覧室で閲覧できます。

久富古墳群(みやこ町犀川)の発掘調査

九州歴史資料館では、県道下深野犀川線改良工事に先立ち、令和6年6月から11 月にかけて、みやこ町犀川久富に所在する久富(ひさどみ)古墳群の発掘調査を実施しました。
久富古墳群は、標高約 65mの山中に位置している群集墳で、今回の調査では、4基の古墳と2基の小石室が確認されました。
古墳の石室内部からは、坏蓋(つきふた)や平瓶(ひらべ)といった須恵器が出土し、その形態から古墳時代終末期(7世紀中頃)に築造された古墳であることが想定されます。
今回の調査成果は、犀川地域の歴史を紐解く上で重要な成果となりました。
今回調査した古墳
犀川小学校の3年生が見学に来ました
ドローンによる空中写真

新開遺跡(久留米市田主丸町)の発掘調査

九州歴史資料館では、国道210号浮羽バイパス建設に先立ち、平成30年6月から平成31年3月にかけて、久留米市田主丸町豊城に所在する新開(しんかい)遺跡の発掘調査を実施しました。
新開遺跡は、雄大にそびえ立つ耳納連山の北麓、筑後川や巨瀬川(こせがわ)が形成した自然堤防上に位置しています。今回の調査では、地表下2面にわたって、過去の生活面が検出されました。1面目は古墳時代から奈良時代の生活面で、カマドが付設された多数の竪穴住居跡(たてあなじゅうきょあと)や掘立柱建物跡(ほったてばしらたてものあと)、土坑(どこう)、溝などが検出されました。2面目は弥生時代中頃の生活面で、竪穴住居跡や土坑、溝などが検出され、特に土坑の中からは、大きな土器片が出土するものもありました。いずれも田主丸地域の歴史を示す重要な調査成果であると言えます。
今後も浮羽バイパス建設に関係する発掘調査は継続する予定で、重要な成果が挙がることが期待されます。
奈良時代の竪穴住居
住居跡から見つかったカマド
弥生時代の土坑
調査途中の成果であるため、図や写真の転載はご遠慮ください。

調査報告書ダウンロード

これまで実施した、発掘調査報告書(PDF)がダウンロードできます。今後も随時追加していきます。

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