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概要
本報告書は、昭和46年度から九州歴史資料館が進めてきた大宰府史跡の発掘調査の中で、大宰府政庁の周辺に広がる官衙地区のうち、不丁地区の出土遺物に関する正式報告書の第1冊目である。 出土遺物量は周辺官衙の中では最も多く、とくに当地区を画する東西の溝からは極めて膨大な遺物が出土した。 本書で報告したのは、瓦塼類、土器・陶磁器類、木製品、金属製品、土製品で、木簡や製塩土器などの特殊遺物を除く主要遺物について報告を行った。 各遺物の整理により、大宰府政庁第Ⅰ期の遺物、第Ⅱ期の遺物、第Ⅲ期の遺物がそれぞれ確認できたが、中世に下る遺構・遺物の少なさが指摘できる。 当地区の評価については、特殊遺物の報告を含めて次巻において総括する予定である。