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概要
本書は、平成26・27年度に九州歴史資料館が行った大宰府史跡の発掘調査のうち、当面の間、総括的正式報告書を刊行する予定がない地区について、 報告を行ったものである。
政庁前面に広がる官衙域のうち、来木・蔵司地区における第221次調査では広丸地区に連なる遺構群の分布や蔵司地区を抜ける谷地形に関連する堆積層を 確認した。また、広丸地区の第224次調査では、南北溝の可能性がある落込みや御笠川の氾濫原などを確認した。
観世音寺子院跡の第226・227次調査では、本来の丘陵地の状況を復元に有益な情報が得られ、第229次調査では谷地形に伴う堆積層を確認し、周辺の 遺跡の在り方を考える上で重要な調査成果が得られた。
大野城跡で実施した第54-2次調査はクロガネ岩城門とその周辺の構造を確認するための調査で、城門前面の崩落部の状況や城門の左右に連なる版築土塁の 状況を確認することができた。また、破片資料ではあるが、百済系単弁蓮華文軒丸瓦が出土したことが注目される。