展示案内

第1展示室

常設展示 「歴史(とき)の宝石箱」

ここでは、九州や福岡県域の歴史を語る上で意義深い資料を取り上げ、旧石器時代から近代まで、各時代を象徴する資料を時間の流れに沿って印象的に展示しています。

_1 旧石器・縄文時代ー狩猟と採集ー

ここでは,九州・福岡の旧石器・縄文文化を語る上で重要な資料で,旧石器時代では,ナイフ形石器文化の石器を中心に展示しています。特に狩猟具である,北部九州の大型の槍先型の石器は他では見ることができない,貴重な資料です。縄文時代では,草創期の古い時代から晩期頃まで,土器の変化を時間に沿って見ることができます。さらに低地より出土した木製品や貝塚出土の骨角牙器など,福岡地域ならではの縄文時代資料の展示です。

_2 弥生時代ー稲作とクニー

ここでは,「弥生時代の始まり」「弥生の祀り」「首長墓」など,弥生文化を語る上で重要なテーマとなる資料を展示しています。北部九州の玄界灘沿岸地域で水田稲作に代表される弥生文化が成立したことを示す資料,甕棺墓葬に伴う祭祀の在り方を示す資料,地域社会内での階層化が進行し,首長墓が形成される過程を示す資料の展示です。


_3 古墳時代ー北部九州の古墳文化ー

ここでは,「前方後円墳の出現」,「中期古墳の革新」,「装飾古墳の展開」など,北部九州の古墳文化を語る上で重要なテーマとなる資料で,福岡県内の代表的な遺跡・資料群を選定して展示しています。古墳時代開始の指標となる前期の前方後円墳から出土した副葬品,5世紀代の渡来人による新たな技術の導入の様相を物語る中期古墳出土の副葬品,北部九州で6世紀代に盛行する壁画系装飾古墳出土品の展示です。


_4 古代

Ⅰ ー大宰府史跡ー

大宰府は西海道を統括する地方最大の官衙であると共に、東アジア世界への窓口としての対外交渉、防衛の中心でした。 ここでは、九州歴史資料館がおよそ50年にわたる発掘調査によって蓄積してきた大宰府史跡(大宰府政庁・政庁周辺官衙・水城・大野城・観世音寺・学校院など)の出土品から精選した、 象徴的な資料を中心に展示しています。

Ⅱ ー西街道大宰府ー

大宰府が統括した西海道の各国からは、大宰府の影響を大きく受けたものや、律令制下の特徴を示す多くの資料が発掘調査によって出土しています。 ここでは、大宰府周辺域となる、福岡県内(筑前・筑後・豊前)の国分寺・郡衙・集落などから出土した資料を中心に取り上げて展示しています。

Ⅲ ー仏教美術ー

仏像や仏画、仏具等のいわゆる仏教美術作品には、それぞれの時代それぞれの地域の、信仰の在り方が映し出されています。 また、信仰の場の中枢で重要な役割を果たしたこれらには、美意識と造形技術の粋が集められてもいるのです。 信仰文化や美術の歴史を考える上で、かけがえのない文化財だと言うことができます。 ここでは、福岡県域を中心としつつ、九州に伝えられた仏教美術作品を展示しています。


_5 中世ーその後の大宰府ー

ここでは,「中国製陶磁器」や「高麗青磁」など,11世紀後半以降の対外貿易の特徴的な資料を展示しています。宗教的な中心地としての地位を近世に至るまで保ち続ける大宰府,およびその周辺の特に,寺院跡や墓地などから出土した陶磁器類のほかに,銅鏡・短刀などの副葬品も展示しています。


_6 近世ー「太平の世」の福岡ー

天正15年(1587),薩摩の島津氏が豊臣秀吉に降伏し,九州の戦国時代は終わります。その後,現在の福岡県に福岡・久留米・柳川・小倉の大きく4つの藩が成立します。各藩では主城,城下町の整備や交通網の整備,新田開発などの基盤整備が進められ,18世紀初頭にかけて社会・経済が大きく成長しました。ここではそういった近世社会に触れていただきたく,文書資料を中心に多様な資料を展示しています。


_7 近代

Ⅰ ー特集展示「昭和の大宰府再置-九州地方行政協議会と九州地方総監府-」ー

昭和18年(1943),当時の福岡県庁に九州の行政の連絡調整について話し合う「九州地方行政協議会」が設置されました。昭和20年(1945)には,会議から官庁である「九州地方総監府」に改組されています。この二つの機関は戦時中,九州の行政の統括を担った九州統括機関で,その福岡県への設置は,当時の新聞で大宰府の再置とも評されました。本展では協議会の設置80年に合わせ,九州地方行政協議会・九州地方総監府の活動を伝える文書資料を紹介し,”昭和の大宰府”ともいえる二つの機関の姿と,後の福岡に与えた影響について見ていきます。

老司Ⅰ式瓦
千手観音立像
石造獅子

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